派閥を選ぶとき、こんなふうに思ったことはありませんか?
「戦闘で真正面から勝てなくてもいい。相手より賢く動いて、気づいたら自分が一番いいポジションにいる──そんなプレイがしたい。」
そんなあなたに、エクスチャ王国はぴったりかもしれません。
この派閥のコンセプトはひとことで言えば、抑止力。
「この能力を使うよ?やめてほしければ何かをくれ」──自分の持つ技を”使う”よりも”脅し”として使い倒す。遊撃プールの指揮トークンを貯めながら、複数の強力な否定手段を手元に持ち、卓全体の政治を動かしていく派閥です。
目次
エクスチャ王国はどんな種族?

エクスチャは、銀河最古の恒星間文明と言われる爬虫類の種族です。豊かな二つの母星を持ち、歴史的には最も平和的で思慮深い文明のひとつとして知られています。
「理念なき戦いは進むべき道ではないのだ、ヒューマンよ。己の怒りを抑えよ。庭でも歩いて、どう進めるか考えようではないか。」──長老クァノージ
かつてのラザックス帝国の時代、エクスチャは争いではなく対話で銀河の安定を保とうとしました。しかし、その平和主義は悲劇をもたらします。レトネフによる侵攻で母星のひとつアルコン・タウが占領され、その後の解放戦争で生態系が完全に破壊されてしまったのです。緑豊かだったはずの星は、灰と毒に染まったクレーターと化しました。
この喪失こそが、エクスチャを変えました。現王ククリサスは「銀河の平和のためには、エクスチャが帝国の玉座につくしかない」と確信しています。かつての平和主義者は今、強力な軍事力と外交の組み合わせで銀河制覇を目指しているのです。
派閥データ
母星
| 惑星名 | 経済力 | 影響力 |
|---|---|---|
| アルコン・レン | 2 | 3 |
| アルコン・タウ | 1 | 1 |
アルコン・レンは影響力3と非常に高く、毎ラウンドの《主導》で指揮トークンを買い足すのに活用しやすい惑星です。
特産物は4個で、多めです。
初期テクノロジー
重力子レーザー・システム:〈宙砲〉を使う直前にこのカードを消耗することで、その〈宙砲〉の命中を戦闘艇以外の宇宙艦に強制的に割り振らせることができます。旗艦の〈宙砲〉と組み合わせることを前提に設計されたテクノロジーで、宙戦が始まる前に相手の主力艦を削れる強力な先制手段です。序盤は戦闘が少ないので使う機会が限られますが、使えるタイミングでは積極的に活用しましょう。
初期ユニット

- 輸送艦 × 1(※日本語版の派閥シートには「×2」と記載されていますが、これは誤記です)
- 巡航艦 × 2
- 戦闘艇 × 3
- 歩兵 × 4
- 宇宙工廠 × 1
- 対宙要塞 × 1
輸送艦が1隻だけというのは少し痛いところです。ただし後述するラウンド1戦略でこのハンデを補う方法があります。
派閥能力
休戦条約:《和平》の戦略カードの主能力か副能力を使った直後、自分が支配している惑星に隣接する星系にユニットのない惑星があれば、その支配権を1つ得られます(メカトール・レックスを除く)。《和平》さえ誰かが選んでくれれば、戦力を使わずに惑星を広げられる優秀な能力です。副能力でも発動するため、自分が《和平》を選ばなくても機能します。また他のプレイヤーが支配していても、そこにユニットさえなければ、彼らから奪えます。
廃案:議題カードが公開されたとき、遊撃プールから指揮トークンを1個消費することで、その議題を捨てて山札の上から新しい議題を引き直せます。全員が代わりに新しい議題に投票することになります。自分に不利な議題を流せる強力な妨害手段ですが、トークン消費が伴うため本当に困る議題にだけ使うのがコツです。
派閥固有ユニット
なし。
派閥専用技術
直観トレーニング(前提条件:緑 × 1):他のプレイヤーがアクションカードをプレイしたとき、このカードを消耗して遊撃プールのトークンを1個消費することで、そのアクションカードをキャンセルできます。特筆すべきは、相手が《破壊工作》(他プレイヤーのアクションカードをキャンセルするカード)をプレイした場合でもキャンセルできる点です。するとキャンセルされるはずだった元のアクションカードがそのまま発動します。つまり、元のカードを出した人と《破壊工作》を出した人の両方に同時に交渉を持ちかけられるという、エクスチャらしい強欲な立ち回りが可能です。
無効化フィールド(前提条件:黄 × 2):他のプレイヤーがあなたの宇宙艦のいる星系を起動した直後、このカードを消耗して遊撃プールのトークンを1個消費することで、そのプレイヤーの手番を即座に終了させられます。星系を起動しても何もできずにターンが終わる──これは相手にとって指揮トークンの無駄遣い以外の何でもありません。「起動しても無効化フィールドで止めるだけだよ」と伝えるだけで、相手の動きを抑制できます。発動条件の「あなたの宇宙艦」は戦闘艇でも発動可能です。
旗艦:ロンカラ・スソデゥ
| コスト | 戦闘能力 | 移動力 | 艦載数 |
|---|---|---|---|
| 8 | 7 × 2 | 1 | 3 |
特殊能力:耐久。宙砲 5(× 3)。この〈宙砲〉は隣接する星系の宇宙艦に対しても使用できます。
エクスチャ旗艦の最大の特徴は、3基もの〈宙砲〉です。〈宙砲〉と第1戦闘ラウンドを合わせた命中発生期待値は2.6で、あの征星艦(2.4)を上回ります。さらに初期テクノロジーの重力子レーザー・システムと組み合わせれば、宙戦が始まる前に相手の主力艦へ強制的にダメージを与えられます。
しかも〈宙砲〉は隣接星系にも届くため、自分が参加していない戦闘にすら影響を与えられます。「交易品を払ってくれたら打つのをやめてあげる」という交渉の材料になりますし、関係ない戦闘が近くで起きているだけで相手へのプレッシャーになります(ただし自分と関係ない戦闘での〈宙砲〉は手番プレイヤーの艦艇のみが対象です)。この旗艦は早めに建造すべきです。
誓約書カード:政治的便宜
議題が公開されたとき、エクスチャの遊撃プールから指揮トークンを1個取り除いて予備に戻し、その議題を捨てて山札から新しい議題を引き直します。全員が新しい議題に投票します。その後、このカードはエクスチャのプレイヤーに返却されます。
「廃案」能力を他のプレイヤーが使えるようにするカードですが、タイミングの決定権がエクスチャになく、しかもエクスチャの遊撃トークンを消費させられます。このカードを他のプレイヤーに渡すメリットはほとんどなく、基本的には手元に持ち続けることになるでしょう。
基本的なプレイスタイル

エクスチャのストーリーからもわかるとおり、設定上は平和主義・交渉重視の派閥です。派閥技術はどちらも「相手が仕掛けてきたことをキャンセルする」ものですし、旗艦も初期テクノロジーと組み合わせて「抑止力」として機能するよう設計されています。
ただし、純粋な防衛派閥ではありません。「休戦条約」は名前こそ平和的ですが、他プレイヤーが不注意で空き惑星にしてしまった土地を横から奪える、なかなかえげつない能力です。旗艦の攻撃力も十分高く、いざとなれば攻勢に出られます。
総じて言えば、エクスチャは守りを基本としながらも、自分の能力を脅しの道具として使い、交渉で相手から利益を引き出し、必要に応じて攻勢にも転じられる、柔軟性の高い派閥です。最終的な強さは、あなたの交渉力と読みにかかっています。
派閥の良さを引き出す3つのポイント
1. 能力は直接使うよりも”脅し”として使う
エクスチャの強みは、相手を牽制できる手札の多さにあります。休戦条約(空き惑星を奪える)、廃案(有利な議題を捨てられる)、直観トレーニング(使いたかったアクションカードをキャンセルする)、無効化フィールド(戦術アクションを無駄にする)、旗艦の〈宙砲〉(関係ない宙戦にも介入できる)──どれも実際に使える強力な技ですが、最もエクスチャらしいのは「使う」ことではなく「使うかもしれないと相手に思わせること」です。
「この惑星を奪えるけど、○○をくれたらやめておく」「無効化フィールドで止めるだけだから、別の星系に行ったほうがいいんじゃない?」──交渉がうまくいけば、能力を温存したまま利益を得られます。そしてそのラウンド中、同じ脅しを別のプレイヤーにも使えるのです。
「直観トレーニング」は特に面白い使い方ができます。相手が《破壊工作》をプレイしたとき、それをキャンセルすると元のカードがそのまま発動します。「今の《破壊工作》、直観トレーニングでキャンセルしようかと思うけど、何かくれたらやめてもいいなぁ。あるいはそれ以上の何かをくれたら、このまま発動させることもできるけど……」──元のカードを出した人にも《破壊工作》を出した人にも同時に交渉を持ちかけられる強者です。
2. ラウンド1は必ず《和平》を取る
エクスチャは輸送艦が1隻しかなく、序盤の陣地拡大が遅れがちです。これを補うために、第1ラウンドは計画フェーズでの選択順に関係なく、必ず《和平》を取ることをおすすめします。理想のラウンド1はこうなります。
- 輸送艦で母星横の星系を制圧(経済力2の惑星がある星系が狙い目)
- 《臨戦》の副能力で輸送艦をもう1隻生産(母星の惑星でコスト3がちょうど払えます)
- 《和平》の主能力を解決し、「休戦条約」でさらに別の惑星を1つ獲得(できればメカトール横の星系が狙い目)
- 《和平》で惑星を2つ待機状態に戻せるので、母星アルコン・レンと新しく取得した経済力2の惑星を戻す
- 《研究》の副能力でテクノロジーを取得(経済力4消費)
《研究》担当プレイヤーが最初に戦略アクションを使いそうなら、1手番待ってもらうよう交渉するだけでこの動きが実現します。輸送艦2隻スタートの他派閥に引けを取らない、テンポよいラウンド1になります。
3. 影響力を意識して遊撃トークンを貯める
エクスチャの能力は、発動に遊撃プールの指揮トークンを消費するものが多いです。ゲーム後半に「使いたい時にトークンがない」という状況を避けるため、早い段階から意識的に貯えておく必要があります。惑星を占拠する際に経済力と影響力を選べる場面では影響力の高い惑星を優先し、戦略カードの選択に余裕があるラウンドは《主導》(指揮トークン3個)・《通商》(影響力として使える交易品を貯蓄)・《臨戦》(トークン節約)を意識的に選びましょう。アルコン・レンの影響力3は毎ラウンド《主導》で指揮トークンの購入に使えるので、2ラウンド目以降は積極的に活用してください。
勝ち方の方向性

- ラウンド1:《和平》を取り、「休戦条約」と《臨戦》副能力を組み合わせ、輸送艦2隻相当の動きで領土を広げる
- 序盤:旗艦をできるだけ早く建造し、メカトール・レックスに隣接する星系に配置。〈宙砲〉のプレッシャーで周囲への交渉力を高める
- 中盤:前提条件のない黄色・緑テクノロジー(サルウィーン工具・神経励起装置)を両方取得してから、派閥技術を研究
- 後半に向けて:遊撃トークンを使い切らないように注意しながら、目的カードの達成を意識して柔軟に動く
初心者向けアドバイス
- 派閥技術(直観トレーニング・無効化フィールド)はゲーム後半まで使う機会が少ないです。まずは黄色と緑の前提条件のない技術を両方開発してから取りましょう
- 能力は「実際に使う道具」というより「交渉の材料」と考えると立ち回りがぐっと楽になります。一度も発動しなくても、脅しで交易品や約束を引き出せたなら大成功です
- 遊撃トークンは後半の生命線。序盤から意識的に貯めておかないと、肝心な場面で手が出せなくなります
- 旗艦は強力です。経済力が整ったら迷わず早めに建造しましょう
ひとこと評価
「交渉の申し子!能力を脅しに使って、銀河中から利益を搾り取れ!」
| 評価軸 | 評価 |
|---|---|
| 初心者おすすめ度 | ★★★★☆ |
| プレイの複雑さ | ★★☆☆☆ |
| 攻撃性 | ★★☆☆☆ |
| 個性的か | ★★★☆☆ |
エクスチャ王国は、ガンガン戦闘を仕掛けたい人には少し物足りないかもしれません。でも、盤面を読みながら交渉を使いこなし、自分の能力の存在感だけで相手の行動を縛っていく──そんな知略派のプレイヤーには、これ以上なくハマる派閥だと思います。
もしこの記事で間違っている情報や「ここはこうじゃない?」という気づきがあれば、ぜひコメントで教えてください。みなさんの知識や経験も取り入れながら、一緒により良い記事にしていきたいと思っています!







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