【派閥紹介・基本版】クレアスの魍魎──ワームホールを操り、移動力を売って稼ぐ渡し守

【派閥紹介・基本版】クレアスの魍魎──ワームホールを操り、移動力を売って稼ぐ渡し守

盤面のどこにでも突然現れて、次の瞬間には跡形もなく消えている──そんなトリッキーな動きで場をかき回してみたいと思ったことはありませんか?

そんなあなたに、クレアスの魍魎はぴったりかもしれません。

この派閥のコンセプトはひとことで言えば、移動

αもβも、さらにはδのワームホールまで自在に行き来し、盤面に突然登場したり、ふっと消えたり。そしてその「移動力」そのものを他のプレイヤーに売りつけて対価を得る──戦わずして立ち回る、不思議で頭を使う派閥です。

目次


クレアスの魍魎はどんな種族?

クレアスの魍魎は、エネルギーと光からできた、既知の種族の中でもとりわけ奇妙な存在です。彼らの故郷であるシャレライ回廊は、千年ものあいだ宇宙船乗りたちから「魔の宙域」として恐れられ、避けられてきた場所でした。そこに近づいた船は不自然なほど数多く消息を絶ち、遭難信号すら残さない──航行記録には「奇怪」とまで書かれるほどの謎の宙域だったのです。

その正体が明かされたのは、覚醒の時代の初期。ある高速艦がシャレライ宙域を通過中、赤灰色の装甲に神秘的な文様を刻んだ所属不明の宇宙艦と遭遇します。これが銀河評議会に参加することになるクレアスの魍魎とのファーストコンタクトでした。

魍魎はクレアスの特異な重力圏の外では安定した形を保てず、複雑な金属の装置で自らを包みこんでいます。この鎧は彼ら自身を安定させると同時に、他種族が安心して接触できる姿をとるためのものでもあります。礼儀正しく数々の奇妙な科学に精通している一方、極めて秘密主義で儀式的──その兜の下に何を隠しているのかは、今なお誰にもわかりません。

「栄誉ある大使殿の気を損ねるつもりはない。ゲートを通るようなら、もう戻れはしないだろうと進言しただけだ」──タイヴラ特使


派閥データ

母星

惑星名経済力影響力
クレアス42

ただしクレアスには大きな特徴があります。ゲームボードの準備のとき、本来なら母星系を置く位置にはシャレライ回廊(タイル17)を置き、母星系そのもの(タイル51)は盤面ではなく自分のプレイエリアに置くのです。つまりクレアスの母星は、物理的に盤面から切り離された場所に存在します。これが後々、大きな武器になります。

特産物は4個と多めです。

初期テクノロジー

重力ドライブ(前提条件:青×1) 星系を起動したあと、その戦術アクション中に、自分の宇宙艦1隻の移動力を+1できる技術です。

これはどの派閥も喉から手が出るほど欲しい優秀な技術で、前提条件を飛ばして最初から持っているのはかなり嬉しいところ。クレアスのプレイスタイルの要になってきます。

初期ユニット

  • 輸送艦 × 1
  • 駆逐艦 × 2
  • 戦闘艇 × 2
  • 歩兵 × 4
  • 宇宙工廠 × 1

正直に言うと、クレアスの初期艦隊はとても弱いです。艦載数を持つユニットが輸送艦1隻しかないため、このままでは1つの星系の惑星しか占領できず、スタートが遅れてしまいます。第1ラウンドの鍵は、いかに早く追加の輸送艦を作るかにかかっています。

駆逐艦2隻は、近隣関係を作るためのユニットと考えましょう。単独で動かせば、派閥能力「スリップストリーム」と初期技術「重力ドライブ」で移動力が4まで伸びます。ワームホールも駆使して、もっともメリットのありそうなプレイヤーと早めに隣人になっておきたいところです。

派閥能力

量子のもつれ:αまたはβのワームホールがある星系は、すべて互いに隣接しているものとして扱ってよい、という能力です。通常はα同士・β同士でしかつながりませんが、クレアスにとってはα星系とβ星系も直接つながります。しかも他のゲーム効果でこの能力を止められることはありません。

スリップストリーム:戦術アクション中、自分の艦隊が母星系、あるいはα・βのワームホールがある星系から移動を始めるとき、その移動力に+1されます。ワームホールを起点にすればするほど、盤面を軽々と飛び回れるということです。

クレアスのゲート:前述のとおり、盤面の母星系の位置にはシャレライ回廊(タイル17)を置き、母星系(タイル51)は自分のプレイエリアに置きます。シャレライ回廊は「母星系ではない」扱いという点も覚えておきましょう。

派閥固有ユニット

なし。

派閥専用技術

次元スプライサー(前提条件:赤 × 1)

ワームホールと自分の宇宙艦がある星系で宙戦が始まったとき、命中を1つ発生させ、相手の宇宙艦1ユニットを自分で選んでその命中を割り振ります。

ワームホール発生器(前提条件:青 × 2/公式改訂版

アクションとしてこのカードを消耗し、自分の支配惑星がある星系か、他プレイヤーのユニットがなく誰の母星系でもない星系に、クレアスのワームホールトークンを新たに置く(または他の星系から移動させる)ことができます。クレアスのワームホールトークンはαとβが1個ずつ、合計2個です。


この2つのうち、優先して研究すべきは断然ワームホール発生器です。毎ラウンド、新しいワームホールを生み出したり動かしたりして、目的達成に必要な星系へ行けるようになります。ワームホールを通る必要がなくても、移動元の星系に置くだけで「スリップストリーム」により全艦の移動力が+1される点も見逃せません。さらに、他のプレイヤーのためにワームホールを発生・移動してあげることを交渉材料にもできます。公式改訂版でアクション化されたことで、必要なときの牛歩戦略にも使えるようになりました。まさに美味しいところづくしの技術です。

いっぽう次元スプライサーは、あまり研究されないかもしれません。クレアスはそもそも戦闘を主軸に据える派閥ではないので、貴重な技術開発の枠をここに割くより、高度な青技術やユニット改良技術に回した方がメリットの大きい場面が多いです。序盤に運よく赤の専門分野を持つ惑星を手に入れたなら、前提条件を飛ばして取るのはアリですが、その場合でも効果を実際に発動できる機会は少なく、「攻めてくる相手への抑止力」として機能することの方が多い印象です。

旗艦:ヒル・コリシュ

コスト戦闘能力移動力艦載数
8513

特殊能力:〈耐久〉。この宇宙艦がいる星系はδのワームホールを持つ。移動の際、この宇宙艦は他の宇宙艦の前にでも後にでも移動してよい。

戦闘能力や艦載数そのものは、いたって基本的な旗艦で、特別強いわけではありません。最大の価値は「動くδワームホール」であることです。δワームホールは、クレアスの母星系とシャレライ回廊にしか印字されていない特別なワームホール。これを旗艦が持ち運べるのです。うまく使えたとき、クレアスのかっこよさが最大限に発揮されます。

ただし忘れがちな注意点として、このδワームホールは他のプレイヤーも使えるという点があります。油断は禁物です。効果的な使い方と注意点は、後の「派閥の良さを引き出すプレイ方法」で詳しく解説します。

なお、派閥能力「次元スプライサー」を研究している場合、旗艦のδワームホールにも発動するメリットがあります。

誓約書カード:クレアス識別票

このカードを渡された相手は、実行フェイズ中の自分の手番開始時に、自分の支配惑星がある星系か、他プレイヤーの宇宙艦がなく誰の母星系でもない星系に、クレアスのワームホールトークンを1つ置く(または移動させる)ことができます。その後、カードはクレアスの魍魎のプレイヤーに戻ります。

クレアスは他の派閥とはちょっと違い、交易品や指揮トークンといった目に見えるものを交渉材料にするのではありません。彼らが売るのは「移動力」です。相手が好きな場所にワームホールを置けるということは、相手の艦隊の移動範囲を広げてあげるということ。この価値に値段をつけるのはなかなか難しいのですが、相手の得点に直結することも多いです。どこにワームホールを置けば自分にも相手にもメリットがあるか、その対価として何をもらうか──これをパズルのように解いていくのが、この誓約書の真価を解き放つ鍵になります。


基本的なプレイスタイル

クレアスの魍魎は、何よりも移動力が強い派閥です。初期技術や派閥能力に加え、α・β・δのすべてのワームホールを行き来できるので、盤面のある一角に突然現れたり、逆にふっと消えてしまったりできます。これは派閥のストーリーにも深くつながった特徴です。

ただし正直に言うと、公開目的や秘密目的の内容によっては、せっかくの移動力があまり活きないまま終わってしまうこともあります。かっこよく不思議なことができる派閥ではあるものの、ゲームによってその強みが猛烈に活きる場合とそうでない場合の差が大きい、という側面は知っておいてください。

また、クレアスは戦闘が得意なわけではありません。むやみに敵を作るプレイは避けたいところ。メカトール・レックスも特に奪いやすい・守りやすいわけではないので、無理にメカトールを狙わず、他の目的を着実にこなしていくことに専念するのがよいでしょう。


派閥の良さを引き出す3つのポイント

1. 第1ラウンドは輸送艦をもう1隻作る

クレアスの第1ラウンドで最優先の目標は、輸送艦をもう1隻作ることです。母星が経済力4もあるので技術開発などにも使いたくなりますが、それよりも輸送艦を優先しましょう。

前述のとおり、クレアスの初期艦隊は弱く、そのままでは新しい星系を1つしか占領できません。この出遅れはラウンド2〜3まで響いてきます。まずは駆逐艦を1隻送り出して近隣に仲間を作り、彼らと特産物を交換して交易品にし、輸送艦を作れる資源が集まってから技術開発に手を伸ばす──くらいの順番がおすすめです。

自分で《臨戦》の戦略カードを取って輸送艦を2回動かすことも可能ですが、それだとラウンド2に入っても艦載数を持つ宇宙艦がまだ1隻しかない状態になってしまいます。なので《臨戦》はあえて自分では取らず、他の人が《臨戦》をプレイしたときに便乗して母星で輸送艦を作り、それを送り出して星系を獲得する方がよいと思います。

注意点として、駆逐艦2隻を別々の場所に送り出すと、作戦プールの指揮トークンが1個足りなくなります。作戦プールは最初3個。2個は2隻の輸送艦を動かすため、残り1個は近隣関係を作る駆逐艦のため──と割り振ることを忘れずに意識しておきましょう。

2. クレアスのワームホールは積極的に作り、動かす

クレアスはαとβのワームホールを作ったり動かしたりできます。その手段は2つ。ひとつは派閥技術「ワームホール発生器」を自分で使う方法、もうひとつは誓約書「クレアス識別票」を誰かに使ってもらう方法です。

特に第1ラウンドはまだ派閥技術を持っていないので、ワームホールを作れること自体を忘れがちです。でも実は、誓約書を他のプレイヤーに渡せば第1ラウンドからワームホールを生み出せます。これは第1ラウンドで得点できるかどうかを左右することもある、非常に重要なポイントです。

クレアス自身は影響力がそれほど高くないので、第1ラウンドでのメカトール1番乗りは諦めた方が無難です。ただ、派閥によってはワームホールの配置さえ良ければ第1ラウンドからメカトール・レックスを取れる場合もあり、そういう相手にワームホールを渡せば相当の対価を受け取れる可能性があります。また、他のプレイヤーがまったく意識していない星系にワームホールを置いてもらい、そこの惑星をクレアスが占領する、という手もあります。長期支配のためではなく、第1ラウンドから確実に得点するために一時的に訪れる、という考え方です。

クレアスを一番よく遊ぶコツは、「自分がワームホールをどこに置けば得点できるか」だけでなく、「ワームホールを置いたら他のプレイヤーがどう得点するか」まで考えること。もちろん、誰かが優勝しそうなときにその人を助ける配置は避けるべきで、むしろ邪魔をするためにワームホールをどけたり、他の人が止めに入れるように動かしたりするのが賢明です。基本的には、得点が少し遅れているプレイヤーのためにワームホールを動かし、その代わりに相当の対価をもらう──こうした交渉をどんどん仕掛けていきましょう。

盤面を見るときは、自分の得点ルートだけでなく他プレイヤーの得点ルートも見つけ、交渉に繋げることを忘れずに。

3. 旗艦は積極的に動かし、慎重に見守る

クレアスの旗艦ヒル・コリシュは、δワームホールを持ち運ぶ特殊なユニットです。つまり、旗艦のいる星系を通って母星にいる艦隊が盤面に出てきたり、逆に盤面の艦隊が母星系へ逃げ込んだりできるようになります。旗艦自身も自前のδワームホールで母星系に逃げ込めるので、相手からすると「跡形もなく消えた」という面白い展開も可能です。

攻めに入るとき、旗艦の最大のメリットは、母星に貯めておいた艦隊を突然呼び出せること。多くのプレイヤーは自分の艦隊の近くにいる相手の艦隊を見張って手を考えますが、クレアスの母星系は盤面から物理的に離れているため、つい見落とされがちです。これを活かして密かに艦隊を作り上げ、ゲートを通して突然登場させる──だからこそ《臨戦》の副能力はなるべく使い、序盤から母星に艦隊を仕込んでおくとよいです。

逆に相手から攻められているときは、旗艦のいる星系の艦隊を旗艦経由で母星系へ撤退させられます。母星系のユニットが多すぎて艦隊プールのトークン数を超えそうなときは、シャレライ回廊にも逃げ込めます。撤退先の選択肢が増えるのは大きな強みです。ただしシャレライ回廊に逃げ込むには、あらかじめそこに何かユニットを置いておく必要があるので、序盤で余裕ができたら駆逐艦などを1つ置いておきましょう。

大きな注意点がひとつ。相手が「光/波動デフレクター」(前提条件:青 × 3)を研究していると、相手も旗艦のδワームホールを通ってクレアスの母星系に入り込めてしまいます。中盤までは心配いりませんが、ゲーム後半は必ず警戒しておきましょう。


勝ち方の方向性

  1. 第1ラウンド:《臨戦》の副能力で輸送艦を作り、2つの星系に陣地を広げる。
  2. 第1ラウンドから:近隣プレイヤーに誓約書を売り、自分の得点を助けてもらうか、相手の得点を手伝う代わりに相当の対価をもらう。
  3. 中盤:自分の得点のため、あるいは他プレイヤーの利益のために積極的にワームホールを動かす。並行して母星系に艦隊を仕込んでおく。
  4. 後半:必要に応じて旗艦を相手の陣地に送り込み、母星系の艦隊を飛び出させて襲撃をかける。逆に襲撃されたら旗艦経由で艦隊を撤退させる。

初心者向けアドバイス

  • クレアスは、よほどアンラッキーな目的が続かない限り、毎ラウンド何かしら得点できる可能性が高い派閥です。一見難しそうな目的も、「ワームホールを動かせば達成できないか?」と柔軟に考えてみましょう。
  • 誓約書を誰かに渡し、さらに交易品などを添えて、自分のためにワームホールを動かしてもらう──こういう交渉も忘れずに。
  • 「光/波動デフレクター」を取ったプレイヤーは、クレアスの旗艦を通って母星系に攻め込めるという点は、常に頭の片隅に置いておきましょう。

ひとこと評価

移動力を売って稼ぐ、神出鬼没の渡し守!

評価軸評価
初心者おすすめ度★★★☆☆
プレイの複雑さ★★★★★
攻撃性★★☆☆☆
個性的か★★★★★

クレアスの魍魎は、盤面をどう動くか・他プレイヤーとどう取引するかをじっくり考えるのが好きな人には、これ以上ないほど楽しい派閥です。逆に、初手から戦闘でぐいぐい押していきたい人や、シンプルにわかりやすく勝ちたい人には、少し掴みどころがなく感じるかもしれません。

でも、盤面に突然現れて仲間を助け、対価を受け取り、また静かに消えていく──あの「渡し守」としての立ち回りの気持ちよさにハマったら、もう他の派閥では物足りなくなるはずです。

もしこの記事で間違っている情報や、「ここはこうじゃない?」という気づきがあれば、ぜひコメントで教えてください。みなさんの知識や経験も取り入れながら、一緒により良い記事にしていきたいと思っています!

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