【派閥紹介・基本版】アルボレク種──歩兵が自己増殖する植物軍団の戦い方

【派閥紹介・基本版】アルボレク種──歩兵が自己増殖する植物軍団の戦い方

派閥を選ぶとき、こんなふうに思ったことはありませんか?

「強そうな軍隊を持ちたい。でも、戦争ゲームで人を傷つけるのも気が引ける……」

そんなあなたに、アルボレク種はぴったりかもしれません。

この派閥のコンセプトはひとことで言えば、植物

じわじわと根を張り、静かに広がり、気がついたらどこからでも新しい軍を生産できるようになっている──。序盤こそ目立たないけれど、後半に入ると急に引き抜けなくなる、そんな派閥です。

目次


アルボレク種はどんな種族?

アルボレク種は、植物でも菌類でもある不思議な知性体です。

彼らのコミュニケーションは「シンフォニー」と呼ばれる感覚的な繋がりによって成り立ちます。一つひとつのアルボレク個体が独立しているというよりも、大きなひとつの意識の中にある細胞のような存在──と考えるとイメージしやすいかもしれません。

母星「ネストファー」の大気は、「フラー」と呼ばれる巨大な森が放出する無数の胞子で覆われています。その胞子が、アルボレク種を一つの意識として繋ぐ物理的な基盤になっています。

艦隊を率いるのは「レターニ」。銀河最大の知性体であり、ちょっと怖い見た目をしていますが──巨大なクラーケンと食肉植物を掛け合わせたような姿──、戦闘後にネストファーへ帰還すると、その経験がシンフォニー全体に吸収されます。データがメインフレームに再接続されるように。

そして彼らが銀河評議会と交流を持つための方法が、「ディルズガ」です。他種族の死体の脳に菌を移植して再生させた使者……と説明すると、かなり衝撃的ですよね。アルボレク種自身は悪気ゼロで、「自然のサイクルの中にある再利用」と考えているようですが、それが他の種族に受け入れられているかどうかは、また別の話です。

「聞こえるか、肉のものよ?アルボレクの調和を。お前の金属のゴーレムや雑音や火は、この調和をかき消してしまう」
──ディルズガのロファル


派閥データ

母星

ネストファー(経済力3・影響力2)

初期テクノロジー

マジェン防衛グリッド公式改訂版

このテクノロジーには2つの効果があります。

  1. 誰かがあなたの施設(宇宙工廠や対宙要塞)を含む星系を起動するたびに、歩兵が自動で補充される
  2. 施設がある惑星での陸戦開始時に、相手の地上部隊に自動で1ダメージを与える

他のプレイヤーは施設を攻めると、それだけで歩兵が湧いてくるうえに陸戦でも不利になる。「あの星系には手を出しにくい」という雰囲気を作れるのが地味に強いです。

初期ユニット

  • 輸送艦 × 1
  • 巡航艦 × 1
  • 戦闘艇 × 2
  • 歩兵 × 4
  • 宇宙工廠 × 1
  • 対宙要塞 × 1

派閥能力

アルボレク種には、他の派閥にはない特殊なルールが2つあります。

①宇宙工廠では歩兵を生産できない
これは大きな制約です。他の派閥なら普通にできることが、アルボレク種にはできません。

②毎ラウンドの調整フェイズ開始時、自動的に歩兵が1部隊補充される
デメリットを補うように、毎ラウンド自動で歩兵が1体補充されます。自分のいずれかの惑星に置けます。

宇宙工廠で歩兵を作れない分、この自動補充と後述の派閥固有ユニットが歩兵を増やす主な手段です。

派閥固有ユニット:レターニ巨兵

レターニ巨兵 Iレターニ巨兵 II
コスト1(2部隊分)1(2部隊分)
戦闘能力87
〈建造〉12
特殊能力なし破壊後、ダイスで6以上なら母星に復帰

アルボレク種の歩兵「レターニ巨兵」の最大の特徴は、〈建造〉能力を持っていることです。これは歩兵がいる星系で、ユニットを生産できる能力。つまり、歩兵がいるすべての星系が、実質的な生産拠点になります

他の派閥は最大でも宇宙工廠3つ分の星系でしか生産できませんが、アルボレク種は歩兵の数だけ生産拠点を増やせます。

ただし〈建造〉の値が「1」なので、1体のレターニ巨兵から同時に作れるユニットは1体だけ。コスト1の歩兵を作ろうとしても、通常なら2体生産できるところ、1体しか生産できません。レターニ巨兵は2体ペアで動かすのが基本です。

派閥専用技術

ビオプラズマ転移(前提条件:緑×2)

毎ラウンドの調整フェイズ終了時、任意の惑星から歩兵を取り除いて、隣接する星系の自分の惑星に再配置できます。輸送艦なしに歩兵を前線に移動できる技術です。

ただし、個人的にはそこまで優先度は高くないと思っています(後述)。

レターニ巨兵 II(前提条件:緑×2)
これが強い。戦闘力が8→7になりますが、〈建造〉値が1→2に上がります。そして破壊されてもダイスで6以上が出れば母星に復帰できます。
この技術を早めに取ることが、アルボレク種を強くする鍵の一つです。

旗艦:ドゥハ・メナイモン

コスト戦闘能力移動力艦載数
87×215

〈耐久〉持ちで、この旗艦がいる星系を起動したときにユニットを最大5体生産できます。コスト・移動力・耐久は平均的で、2ダイス振れる点と艦載数5はまずまずです。

ただし一つ注意が必要で、生産できるのは「この星系を起動したとき」だけ。つまり、移動して生産を同じターンに行うことはできません。サールの一族の「浮遊工場」と混同しやすいので気をつけてください。あちらは移動後にそのまま生産できますが、ドゥハ・メナイモンはそうではありません。

正直に言うと、コスト8を払う割には、それほどうまみが大きくない旗艦です。同じコストで弩級艦を2隻建てるか、弩級艦+輸送艦の組み合わせにした方が、機動力・火力・運用の柔軟性のどれをとっても上回ることが多いです。旗艦ありきで戦略を組まなくていい派閥と思っておくのが無難かもしれません。

誓約書カード:成長阻害(公式改訂版

誰かがあなたのユニットを含む星系に宇宙船を移動させた後、そのプレイヤーの予備の指揮トークンを1つ奪い、任意の星系(母星以外)に配置できます。

強力なカードですが、このカードはアルボレク種のプレイヤーにとっても脅威になりえます。基本的に他のプレイヤーに渡さない方がいいです。渡す場合は、すでに信頼関係ができているプレイヤーに、自分へ使わないという約束とセットで。あるいは、相手の誓約書カードも同時にもらう取引の一環として使うと安心です。


基本的なプレイスタイル

アルボレク種を一言で表すなら、「じわじわ型の後半強化派閥」です。

他の派閥が宇宙工廠を建てて生産拠点を広げていく一方で、アルボレク種は歩兵を増やすことで生産力を高めていきます。歩兵がいる星系はどこでも生産拠点になるため、盤面に歩兵が広がるほど、どこからでもユニットが生産できるようになります。

序盤:静かに歩兵を育てる

序盤の最優先事項は、歩兵を失わないことです。

アルボレク種は歩兵が命。宇宙工廠で補充できない分、序盤に歩兵を大量に失うと、その後の立て直しが大変になります。「なるべく戦わず、周囲を怒らせない」が序盤の基本姿勢です。もし攻めてきそうなプレイヤーがいれば、交渉でうまくかわすことも必要になるかもしれません。

後半:動き出したら止まらない

歩兵が十分に育ってきたら、一気に動き出します。

惑星を確保 → 生き残った歩兵でその場でユニットを生産 → さらに前進

このサイクルが回り始めると、なかなかやられなくなります。特に、歩兵は地上にいなくても〈建造〉能力が使えます(艦載状態でもOK)。輸送艦などに乗せているだけでも、その星系での生産が可能。惑星のない星系でも戦力を補充しながら勢力を守れます。


派閥の良さを引き出す3つのポイント

1. 「サルウィーン工具」をできるだけ早く研究する

黄色テクノロジーの「サルウィーン工具」は、生産のたびに合計コストを1減らします。アルボレク種にとって、これは指数関数的な恩恵をもたらします。

歩兵を伴った戦術アクションのたびに何かしら無料(またはほぼ無料)で生産できるようになるため、一刻も早く手に入れたいです。

ただし、アルボレク種の母星は経済力3しかなく、「研究」戦略カードの副能力(経済力4必要)をそのままでは使えません。ラウンド1の戦略フェイズでは「研究」の主能力取得を最優先で。

第1ラウンドの戦略フェイズの考え方

  1. 「研究」が取れた → 理想!
  2. 取れなかった → 「通商」を狙う(交易品で経済力不足を補う)
  3. それも取れなかった → 「和平」を取り、研究を取ったプレイヤーと交渉してラウンド1でなんとか研究する
  4. 全部取れなかった → 「臨戦」で輸送艦を2回動かして展開を急ぐか、「画策」で議長になってラウンド2の主導権を確保する

2. 派閥専用技術は「レターニ巨兵 II」を優先

「ビオプラズマ転移」と「レターニ巨兵 II」はどちらも同じ先行条件を持つ緑テクノロジーですが、「レターニ巨兵 II」を先に取ることを圧倒的におすすめします

「ビオプラズマ転移」は輸送艦なしで歩兵を前線に動かせる便利な技術ですが、歩兵を動かした元の惑星が手薄になるリスクもあります。見返りが投資に見合うかというと、個人的には微妙です。

一方「レターニ巨兵 II」は、アルボレク種の核心である歩兵を直接強化します。〈建造〉値が1→2になることで、ペアで動かなくてもコスト1で2体の歩兵を同時に生産できるようになります。さらに50%の確率で死なないのは非常に頼もしい。

3. メカトール・レックスを中盤から狙う

アルボレク種は、一度メカトールを取れば守りやすい派閥です。

通常の派閥がメカトールに宇宙工廠を置いても、メカトールの経済力が低いため一度に3体までしか生産できません。でもアルボレク種は、歩兵さえいれば〈建造〉能力でどんどんユニットを増産できます。雑草は根を張るほど抜きにくくなる──まさにそのイメージです。

ただし、アルボレク種は序盤から突っ込む戦闘特化型ではありません。2〜3ラウンドかけて歩兵を蓄えてから、メカトールを狙うのがポイント。制圧後に生き残った歩兵でその場から補充し、上空の宇宙船が落とされても地上の歩兵だけは増やし続けられる体制を整えましょう。

ラウンドの終盤(調整フェイズ直前)にメカトールを奪えると、次のフェイズ開始直後に歩兵が自動配置されてすぐ戦力が整うのも嬉しいポイントです。


勝ち方の方向性

  1. ラウンド1: 「サルウィーン工具」の研究を目指して戦略カードを選ぶ
  2. ラウンド2〜3: 歩兵を蓄えながら、なるべく争いを避けて静かに力をためる
  3. ラウンド3〜: メカトール・レックスを奪い、そこを拠点に歩兵で生産力を確保する
  4. 終盤: 「覇業」でメカトールからの追加得点を狙いつつ、共通目的・秘密目的を達成していく

初心者向けアドバイス

調整フェイズの歩兵補充を忘れずに!
これ、意外と忘れやすいです(笑)。毎ラウンドの習慣にしましょう。

レターニ巨兵 I はペアで動かす
単体では〈建造〉1しかないので、コスト1を払っても歩兵や戦闘艇が1体しか生産できません。2体を同じ星系に揃えると〈建造〉が合算されて、コスト1で2体生産できます(「サルウィーン工具」があれば無料)。なるべくペアで行動させましょう。

序盤から急いでメカトールを狙わない
アルボレク種の真の強さは後半にあります。序盤は「目立たず静かに力を蓄えるモード」と割り切ることが大切。中盤からぐっと力を発揮できる展開を作りましょう。

12〜14点の長期戦ゲームで特に輝く
10点までの通常ゲームでも十分楽しめますが、ゲームが長くなるほどアルボレク種の強みが発揮されます。長めのゲームを計画しているときに選ぶと、特によさが見えてきます。


ひとこと評価

終盤から花開く植物派閥!歩兵を貯めたらメカトールを狙え!

項目評価
初心者おすすめ度★★☆☆☆
プレイの複雑さ★★★☆☆
攻撃性★★☆☆☆
個性的か★★★★★

アルボレク種は、TIの中でも特に「他の派閥とは違う遊び方」を楽しめる派閥です。序盤から攻めたい人や、初回プレイで結果を出したい人には少し難しいかもしれません。

でも、じわじわと力をためて、後半に逆転していく感覚が好きな人には、最高に楽しい派閥だと思います。

Comments

コメントを残す