TI4を遊んでいて、こんなことを思ったことはないですか?
「宙戦の数の勝負ではどうせ勝てない。でも、歩兵を惑星に送り込めさえすれば、あとは何とかできる気がする……。」
そんなあなたに、インの同胞はぴったりかもしれません。
この派閥のコンセプトはひとことで言えば、殉教。
安い駆逐艦を迷わず特攻させて宙戦をこじ開け、歩兵を惑星に降ろしたら「洗脳」で敵兵まで仲間に引き込む。占領した惑星には「インの紡ぎ手」でじわじわ歩兵を補充し続け、一度取ったら簡単には明け渡さない。序盤こそ地味に見えますが、影響力を着実に稼いで旗艦を配置した頃から、誰も手出しできない牙城が完成します。
目次
インの同胞はどんな種族?

インの同胞は、もともとヒューマンです。正確には、ソルの優秀な科学者ダリエン・ファン・ハウへと、その妻モイインの遺伝子から生まれたクローンの同胞たち──その末裔が、今や宇宙を股にかける一大勢力となっています。
ダリエンは、二人の子供を「灰焔病」という難病で失いました。その喪失の痛みから、彼は皇帝が禁じる禁忌の生命科学──クローニング技術──の研究に踏み込みます。逃亡生活の末にたどり着いた辺境の惑星で、妻モイインとともに秘密裏に研究を重ね、やがてクローンの息子を生み出すことに成功します。しかし、全てのクローンは男性であり、灰焔病を完全には克服できず、多くが外見に著しい変容をきたしていました。
ダリエンの死後も、同胞たちは彼の業を受け継ぎ、モイインの卵子から新たな兄弟を作り続けました。やがてルーカス修道院は一大施設となり、惑星そのものが「ダリエン」と名付けられます。彼らは、病に蝕まれて変容した者を「祝福されし者」として敬って長老会に据え、一方で病の徴を見せない者は「触れられざる者」と呼び、外交官や兵士として訓練します。
同胞たちは女性を生み出すことを遙か昔に諦め、代わりに「イン」──モイインの名から取られた──を永遠の母として崇拝しています。そして今、彼らはメカトール・レックスの玉座を目指して宇宙へと打って出ます。
「なるほど!お前は私をヒューマンと見間違えていたのだな。ヨルズの血を分かち合う者だと。私は彼らの子ではない。我が命は、インのために!」──同胞ミロー
派閥データ
母星
| 惑星名 | 経済力 | 影響力 |
|---|---|---|
| ダリエン | 4 | 4 |
特産物の数は2個と、全派閥の中でも最低水準です。ただ、誓約書カードは他のプレイヤーにメリットがあるので、積極的に売って交易品を稼ぐことができます。
初期テクノロジー
サルウィーン工具(黄色)──ユニットを生産する際、その回の全ユニットの合計コストが1減ります。地味ながら毎回の生産で働き続けるので、積み重なると決して侮れません。

初期ユニット
- 輸送艦 × 2
- 駆逐艦 × 1
- 戦闘艇 × 4
- 歩兵 × 4
- 宇宙工廠 × 1
弩級艦も巡航艦もないため、正面からの宙戦は厳しいスタートです。ただ戦闘艇が4艘いるので、輸送艦に1〜2艘ずつ護衛としてつけながら展開していきましょう。
派閥能力
洗脳──陸戦が始まる際、影響力を2消費することで、相手の参戦中の歩兵1部隊を自分の歩兵1部隊と入れ替えられます。敵兵を奪って戦力に変えるこの能力が、インの陸戦の核心です。
献身──各宙戦ラウンドが終わるたびに、起動中の星系にいる自分の巡航艦か駆逐艦を1隻破壊することで、命中を1つ発生させ、相手の好きな艦に割り振ることができます。「死んでも道連れにする」という同胞たちの精神が、まさに能力として体現されています。
派閥固有ユニット
なし。
派閥専用技術
インの紡ぎ手(公式改訂版、前提条件:緑×2)──ユニットを生産するたびに、歩兵2部隊を自分が支配する任意の惑星、または自分の艦隊がいる星系の宇宙空間に無料で追加配置できます。宇宙工廠が不要なので、占領した惑星を直接守らせることができます。インの最重要技術。最優先で研究を目指しましょう。
インパルス・コア(前提条件:黄×2)──宙戦の開始時、自分の巡航艦か駆逐艦を1隻破壊することで命中を1つ発生させます。ただし命中の割り振りは相手が行います。「献身」とコンセプトが似ていますが、割り振りが相手任せな分だけ弱く、研究する優先度は低いです。
旗艦:ファン・ハウへ (大いなる父)
| コスト | 戦闘能力 | 移動力 | 艦載数 |
|---|---|---|---|
| 8 | 9×2 | 1 | 3 |
特殊能力:耐久。この艦が破壊されると、同じ星系にいるすべての宇宙艦艇が道連れに破壊される。
全派閥の旗艦の中でも、ある意味で最強クラスの抑止力を持つ旗艦です。戦闘力自体は決して高くありませんが、「この艦を倒したら自分の艦隊も道連れに沈む」という恐怖そのものが、相手の侵攻を躊躇わせます。相手が宙戦で旗艦を倒しても、一緒に送り込んだ艦隊が道連れになるため、その後の陸戦ができなくなってしまうのです。
攻めの場面で旗艦を送り込む時は、破壊されたいと思っているのでない限り、「耐久」は絶対使わないようにしましょう。耐久で命中を一度吸収しても、相手が《直撃》のアクションカードを出すと強制破壊されます。《直撃》を防ぐ《破壊工作》を持っていない限り、耐久はむやみに使わず、旗艦を生き続けさせることを優先しましょう。
誓約書カード:灰焔病の突然変異(公式改訂版)
インの同胞でない地上部隊2部隊以上との陸戦が始まる際、相手の歩兵を1部隊奪って自分の歩兵と入れ替えます。使用後は自動的にインのプレイヤーへ返還されます。
改訂版では自分への被害がなくなりました。そのため、積極的に他のプレイヤーへ売っていきましょう。インは特産物が2個しか持てないため、交易品1つからでもどんどん販売してリソースを確保します。他プレイヤー同士で陸戦が起きるたびに「欲しい人に売ります」と声をかけ、場合によっては競争入札にしてみると、案外高値になることもあります。
基本的なプレイスタイル

インの同胞の戦い方は、一言で言えば「自爆して、洗脳して、歩兵で塗り潰す」です。
宙戦では「献身」を駆使します。宙戦ラウンドが終わるたびに駆逐艦などを自爆させ、命中を相手の艦に割り振ります。宙戦の目的は完全勝利ではなく、歩兵を乗せた輸送艦が生き残って惑星への降下チャンスを作ることです。そのため、駆逐艦を多めに揃えておくことが重要です。
いざ歩兵が降りたら、「洗脳」が炸裂します。影響力2を払うことで相手の歩兵を奪い、一気に陸戦の流れを有利に変えられます。さらに「インの紡ぎ手」を研究していれば、ユニット生産のたびに歩兵が補充されるため、占領した惑星はなかなか奪い返されません。宙戦で使い切った艦隊は寂しくなりますが、地上の歩兵は増え続けるので、防衛は十分に保てます。
派閥の良さを引き出す4つのポイント
① 「インの紡ぎ手」を最速で研究する
「インの紡ぎ手」は、ユニット生産のたびに歩兵2部隊を任意の惑星へ無料配置できる技術です。早く研究するほどその恩恵が積み重なるので、可能な限り早い段階で取り切りたいです。
ネックは前提条件が緑×2ということ。インの初期テクノロジーは黄色なので、普通に進めると最低でも3番目の研究になります。これを少しでも早めるには、ラウンド1か2で「研究」の戦略カードを確保すること、そして近くに緑の専門分野惑星がある場合は優先して取ることが鍵です。前提条件を1つスキップできるだけで、研究タイミングが1ラウンド早くなります。
② 影響力と交易品を優先的に集める
インが動くには影響力が必要です。「洗脳」を使うには影響力2、指揮トークンを増やして艦隊プールを広げるにも影響力が要ります。そのため、惑星を選ぶ際は経済力よりも影響力の高い惑星を優先しましょう。
また、交易品も影響力として活用できます。「通商」の戦略カードを取るのも有効な選択肢ですし、誓約書カードを積極的に販売して交易品を稼ぐことも重要です。他プレイヤー同士の陸戦が起きるたびにチャンスがあるので、忘れずに声をかけましょう。
③ 旗艦は抑止力として早めに配置する

ファン・ハウへは「置いてあるだけで勝てる」旗艦です。相手は旗艦がいる星系を攻める際、宙戦で勝っても艦隊が道連れになってしまうため、そのまま地上戦に進めません。つまり、戦略カード「臨戦」などで2回のアクションを使わないと、その惑星を占領できないのです。母星や重要な惑星に配置しておくだけで、強力な防衛ラインができあがります。
少し上級者向けですが、旗艦を攻撃的に使うこともできます。例えば誰かがメカトール・レックスに大艦隊を築いていた場合、旗艦一隻を送り込んで道連れにするだけで相手の艦隊を一掃できます。さらに技術「艦隊兵站」と戦略カード「臨戦」を組み合わせると、旗艦で相手の艦隊を自爆で消滅させた後、続けて地上部隊を送り込んで惑星まで制圧するという流れを1ターンで完結させることも可能です。準備は大変ですが、決まった時の爽快感はひとしおです!
また、こうした旗艦の特性を生かして他のプレイヤーと連携するのも有効です。勝ちを狙っているプレイヤーの大艦隊をインが旗艦で一掃し、その後に別のプレイヤーが地上戦で仕留める──というシナリオは、交渉次第で十分実現します。
④ 艦隊は「安さと数」で揃える
インの宙戦の目的は完全勝利ではなく、「輸送艦を生き残らせること」です。そのためには、高価な弩級艦よりも、安価な駆逐艦や戦闘艇を多数揃えた方が「献身」を多く使えて効果的です。指揮トークンを増やして艦隊プールを広げ、駆逐艦を常に1〜2隻以上確保しておくことを意識しましょう。
勝ち方の方向性
- 影響力の高い惑星から制圧し、リソースを確保する
- ラウンド2で「インの紡ぎ手」の研究を狙う
- 安くて大きな艦隊(駆逐艦多め)を整えて展開する
- 旗艦を守りに配置し、重要星系を抑える
- 歩兵で惑星を押さえ、得点に向けて遠慮なく侵略する
初心者向けアドバイス
- 「献身」は宙戦ラウンドごとに使えます。その戦闘が何ラウンド続きそうか読みながら、必要な分だけ駆逐艦を持っていくようにしましょう。
- 「献身」で発生させた命中を割り振るのはインのプレイヤーです。「耐久」で損傷済みの高級ユニットに積極的に割り振って、相手のアドバンテージを削りましょう。
- 陸戦向けに見えるからといって「歩兵 II」を研究したくなりますが、多くの場合は不要です。「輸送艦 II」でより多くの兵力を運べるようにするか、「戦闘艇 II」で宙戦の戦闘力を底上げする方が効果的です。
- 「インパルス・コア」は命中の割り振りが相手任せな上に戦闘前から自分の戦力を削るため、研究の優先度は低いです。「インの紡ぎ手」の後は、他の技術を先に考えましょう。
- 誓約書カードは、他のプレイヤー同士の陸戦が始まるたびに売るチャンスです。これを習慣にするだけで、案外コンスタントに交易品が入ってきます。
ひとこと評価
「死すら戦略!自爆と洗脳の陸戦特化派閥!」
| 評価軸 | 評価 |
|---|---|
| 初心者おすすめ度 | ★★★☆☆ |
| プレイの複雑さ | ★★★☆☆ |
| 攻撃性 | ★★★★☆ |
| 個性的か | ★★★★☆ |
インの同胞は、正面から宙戦を張り合うことが苦手な人には少し窮屈に感じるかもしれません。艦隊規模で劣りがちな序盤は、じっと状況を見極める忍耐が必要です。でも、「献身」で道を切り開き、「洗脳」で敵兵まで味方に変えて惑星を塗り潰していく感触は、他の派閥では味わえない独特の爽快感があります。旗艦ファン・ハウへが盤面に鎮座し、相手プレイヤーたちが「あそこは攻められない……」と遠巻きにする瞬間──それがインの同胞の醍醐味です。
もしこの記事で間違っている情報や、「ここはこうじゃない?」という気づきがあれば、ぜひコメントで教えてください。みなさんの知識や経験も取り入れながら、一緒により良い記事にしていきたいと思っています!







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